博多曲げ物とは
博多の筥崎八幡宮は、大分の宇佐八幡、京都の石清水八幡宮と並び日本三大八幡と呼ばれ、広く崇敬を集める大社です。
その西にある門前町のひとつ馬出で昔、応神天皇ご誕生の際、胞衣箱として奉納された故事から曲げ物作りが始まりました。やがて庶民にも親しまれ、江戸時代には貝原益軒の「筑前国続風土記」で紹介されるほどとなり、三百年の伝統を誇っています。
柴田徳五郎司は福岡市無形文化財の指定を受け、博多曲物の職人技として広く市民に親しまれ、愛され続けています。
杉や檜などの薄い板材を切り目を付けて曲げ、合わせ目を桜の皮で閉じた伝統工芸品。
くぎなどの金属を一切使わず、長細い桜の皮で縫うようにつなぎ合わせるため、非常に軽く、ほんのり香る木の香りがより一層ご飯を美味しく引き立てます。
博多曲げ物ができるまで
- 製材
杉や桧を薄く削り、同じ大きさに切りそろえます。 - マチドリ
重ね合わせるために斜めに削り落とします。 - 煮沸
丸く曲げるのに大釜で煮ていきます。 - 曲げ
熱いうちにマキギという道具で板を巻き込んで曲げます。 - 型止め
曲げた板ははさみで両端を重ね合わせ、円型に形を整えて乾燥させます。 - 綴じ
桜の皮を使って綴じ合わせます。 - 底入れ
最後に底板をつけてできあがりです。 - 絵付け
「ポッポ膳」などのように絵付けをして完成するものもあります。
お取り扱い方法
お弁当箱や飯びつ
- 最初に内側にお湯を注ぎ2~3分置き、それを2~3回繰り返して杉の香(しぶ)を除いてください。
- 後はよく乾燥させてお使いください。
- 角に汚れが残ると黒ずみになりますのご注意ください。
- 木は生き物です。常に風通しの良い所で保管して頂ければ、良い状態で長く使用できます。
三段重や絵付き商品
- 絵は泥絵具で書き入れてニスを吹き付けておりますが、出来るだけ水洗いは避けてください。
- 汚れをふき取る場合は、濡れふきんでさっとふきとる程度にしてください。決してゴシゴシとふき取らないでください。
- 木は生き物です。常に風通しの良い所で保管して頂ければ、良い状態で長く使用できます。